【Photoshop】ニューラルフィルターを使ってみよう!(1)

【Photoshop】ニューラルフィルターを使ってみよう!(1)
【Photoshop】ニューラルフィルターを使ってみよう!(1)

こんにちは,masART STUDIOのカワグチです。ちょっと時機に遅れましたが,今回は Adobe Photoshop の新機能「ニューラルフィルター」についてご紹介します。「ニューラルフィルター」は今年10月に開催された Adobe MAX 2020 に合わせてリリースされたPhotoshopの最新機能の1つとして,NVIDIA とのコラボで Adobe Sensei のAIおよび機械学習に基づく機能に追加されました。



「ニューラルフィルター」は,Photoshop内に設けられた新しいワークスペースで,人物の肌を滑らかにしたり,表情を変えたり,背景の奥行きを表現するなど,創作のアイデアを瞬時にいくつでも試せる非破壊的なフィルターとなっています。

実際に,「ニューラルフィルター」を使用しながら注目する機能を紹介していきます。まず,アプリケーションメニューの [フィルター] > [ニューラルフィルター] を選択して,「ニューラルフィルター」を起動してください。さすがに,他人の顔で遊ぶわけにいきませんので,ここでは愚生のポートレートを使用します。醜い写真で申し訳ありませんが暫しご辛抱を…

肌をスムーズに

「肌をスムーズに」は,「ニューラルフィルター」の2つあるおすすめフィルターの1つです。ニューラルフィルターの画面で「肌をスムーズに」のトグルスイッチをONにして,「ぼかし」と「滑らかさ」をスライダーで調整します。今まで,ニキビやシミなどの肌荒れの除去は手間と時間が掛かっていました。しかし,このような複雑なワークフローも,Adobe Sensei(機械学習)の活用によって数ステップで完了できるようになりました。更に,Adobe Sensei は利用者のフィードバックによって,使えば使うほど賢くなっていきます。

ニューラルフィルター(肌をスムーズに)
図1. 初期値は「ぼかし」が「50」,「滑らかさ」が「0」になっています。初期値の状態でも自然な感じに仕上がっています。今回は初期値のまま右下の「OK」ボタンを押下。
ニューラルフィルター(肌をスムーズに)の適用結果
図2. ニューラルフィルターの適用結果。処理された部分はレイヤーで追加されるため,簡単に適用前の画像を確認することもできます。また,追加されたレイヤーの表示・非表示を操作することで複数のパターンを見比べることも可能です。
ニューラルフィルター(肌をスムーズに)の適用前と適用後
図3. 顔の凹凸が目立たなくなり,良い感じに肌が滑らかになっているのがわかります。第一印象は大事なので,「ニューラルフィルター」は,ブログやSNSのプロフィール写真に活用できそうです。

ベータ版フィルター

本稿執筆時にベータ版として使用できるフィルターは,「スマートポートレート」「メイクアップを適用」「深度に応じたかすみ」「カラー化」「スーパズーム」「JPEGのノイズの削除」の6つです。今回はこのうち「スマートポートレート」と「カラー化」の2つを使用してみたいと思います。

ニューラルフィルターの画面でフラスコのアイコンを押下すると,フィルターの一覧が表示されますので,使用したいフィルターのトグルスイッチをONにしてください。

ニューラルフィルター(ベータ版フィルター)
図4. ベータ版フィルター。現在は試用できませんが,様々なフィルターが準備中であることが伺うことができます。これから楽しみですね。

スマートポートレート

「スマートポートレート」は,年齢や表情,顔の向き,照明の方向などを変化させることができます。Adobe Sensei が人物画像の内容を解析して,髪の毛の濃さや量,微笑みの強さ,驚きや怒りの表情を調整したり,対象者の年を取らせたり若返らせたりすることも可能です。複数の設定を同時に適用することもできますが,ここではそれぞれの設定を単体で使用したサンプルを紹介します。

ニューラルフィルター「表情(笑顔)」の適用例
図5. 表情(笑顔)
ニューラルフィルター「表情(驚き)」の適用例
図6. 表情(驚き)
ニューラルフィルター「表情(怒り)」の適用例
図7. 表情(怒り)
ニューラルフィルター「被写体(年齢)」の適用例
図8. 被写体(年齢)
ニューラルフィルター「被写体(視線)」の適用例
図9. 被写体(視線)
ニューラルフィルター「被写体(髪の量)」適用例
図10. 被写体(髪の量)
ニューラルフィルター「被写体(顔の向き)」の適用例
図11. 被写体(顔の向き)
ニューラルフィルター「被写体(照明の向き)」の適用例
図12. 被写体(照明の向き)

カラー化

文字通り白黒写真をカラー化するフィルターです。ワンクリックで Adobe Sensei が画像を解析して白黒写真に着彩してくれます。

ニューラルフィルター「カラー化」の適用例
図13. 「カラー化」の適用例。「Nik Collection 3」の「Silver Efex Pro」でモノクロ写真に加工した後,「ニューラルフィルター」の「カラー化」で着彩。明治時代の「横浜写真」のようになりました。

今回は,Adobe Photoshop 2021 の新機能「ニューラルフィルター」についてポートレート写真への適用例を紹介しました。次回も引き継ぎ「ニューラルフィルター」の風景写真の適用例を紹介したいと思います。最後までご購読ありがとうございました。